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チョコとお猪口と、ときどき仕事。
高校2年生でした
ふと目が覚めたら

窓の外の空は

いつもの朝より

ずいぶん明るい。



はっとして、

時計を見ると

30分以上

寝坊していることを知る。



ああ、そうか。

目覚まし代わりの

携帯電話は、

昨日マナーモードに

設定したあと

そのままほったらかしで

だからいつもの時間に

アラームが

鳴らなかったんだ。



寝坊した割に

のんびりしたテンポで

支度にかかる。

朝ごはんをあきらめれば

会社の始業には

充分間に合う。

もう一度

時間を確認する。

午前7時20分。

もう1時間半も前に

過ぎちゃったのか。

...と、思う。



15年前の朝。



いつも

「いい加減

 起きんと知らんでっ!」

と、ヒステリックな声で

布団を二度三度

ばしんばしんと叩いて

佐吉を起こす母親は、

この日は

まるでパン生地でも

こねるみたいに

何度も繰り返し

佐吉の体を

激しく左右に揺らす。



「もう、

 起きるってば

 うるさいなぁ!」

と身をよじって

攻撃を避けようとするも

なお、しつこく

ぐりぐり揺さぶられる。



仕方なく重いまぶたを

開けると、

部屋はまだ夜明け前で

薄暗い。



ずいぶんしつこく

揺り起こされたので、

たいそう寝坊したんだろうと

明るい朝の光に満ちた

部屋を想像していた佐吉。



相変わらず

体は乱暴に

揺さぶられ続けている。



寝起きの佐吉脳は

状況がさっぱり

わかりかねた。



部屋中のものが

震えている。



四方の壁から

「ゆっさゆっさ」と

音がする。



「地震だ!」

...と理解するのに

ずいぶんな間を

要した気がする。



本棚の文庫本が2,3冊

雨粒みたいな身軽さで

頭上に降ってくる。



怖いというより、

ただびっくりした。



あんまりびっくりしたので、

そのまま揺れが収まるまで

まったく動けなかった。



あたりが静かになって

そこで初めて

ぞっとした。



今のは

何だったんだろう。



起きてテレビをつけて

ニュースが見たいのに、

もう一度

同じのが来たらと

思ったら、

怖くて布団から

出られなかった。



その日から連日

次々にTV画面に

映し出される

衝撃的な映像の数々。

映画みたいに

現実感が乏しかった。



あの朝から、

15年と1時間半。



幸い、

佐吉の住むマンションは

外壁にヒビが入った所も

あったものの、

住むにはまったく

支障がなく、

友達や親戚も無事でしたが、

それでもやっぱり

毎年この日は

あの日の記憶を

たどってしまいます。



私立の学校は、

早々に休校を

決めたようだったけど、

公立高生の佐吉は

いつもなら

20分揺られる電車に

2時間カンヅメで通学。

(あんまりにぎゅうぎゅうで

 学校の最寄り駅に

 着いても、

 まったく身動きが取れず、

 2駅ほど乗り越したのち

 歩いて引き返した。)



1日中余震にびくつきながら

授業を受けたな。



我が社には

神戸方面から通勤する社員も

多く、

自宅が全半壊した方も。



当日、なんとか

出社できた社員は、

なんとバイクだの自転車だので

被災地にある支社へ

支援に向かったそうな。
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